メキシコって/平原の町
平原の町
コーマック・マッカーシー
<国境3部作>の3冊目。
アメリカ南部でカウボーイをやっている主人公が、メキシコの娼婦に恋をする話です。
すでに、「すべての美しい馬 」「越境 」を読まれている方はその世界観は同じです。
美しくも荒涼としたアメリカ南部で、ハードながらも充実した生活を送っているカウボーイ。
気晴らしにでかけたメキシコの町で、ほんの一瞬、見かけた若いメキシコの女性に惹かれてしまいます。
しかし相手は娼婦。取り仕切っているのはメキシコのごろつきで、そこには違ったルールが存在します。
違った世界であることにも恐れず、まっとうに女性を求めようとしますが、違った世界では受け入れられません。
しかしそれでも押し通していくのが、このシリーズの主人公達。
同僚から反対されながらも理解を得、廃屋を改修し迎えいれる準備を整え、いよいよその日がやってきます。
そして・・・
そして読者サービスでしょうか。「すべての美しい馬」と「越境」の主人公が出てきます。
「馬」の方が主人公で、「越境」の方が相棒役。
こんな文学的でありながらもハードボイルドな作品で、よもやシリーズとして楽しめるとは思いませんでした。
読みやすいしテーマが恋愛でとっつきやすいのに、前二作を読んでからのほうが楽しめるというジレンマ。
もうだいたいコツはつかんで展開が読めるのでエンターテイメントとして楽しむことができました。
やっぱり、そこ、行く、みたいな。
それからこの作家、色々読みどころはありますが、短い会話分が結構ぐっときますね。
これで国境3部作にはけりをつけたので、評判の「血と暴力の国」「ザ・ロード」にいけます。
しかしこのタイトル、コーマック・マッカーシーじゃないと手にとらないだろうなぁ。
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