まだあるフロンティア/世界一高い木
世界一高い木
リチャード・プレストン
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●世界一高い木
樹種:セコイア
名前:ハイペリオン
高さ:115.5m
アメリカにはレッドウッドというセコイアの木があります。
この木は非常に高くなります。
或るとき数人の男が「世界一高い木」を探そうと、それぞれが思いつきました。
大学教授からスーパーの店員まで、様々なひとが協力し離合し、新しい道具を発明し、新しい「樹冠」の世界を見つける、「世界一高い木」のノンフィクションです。
大体115.5mですよ。
1階が3mだと38階になります。
それが1本の木で真っ直ぐ立っているんです。
そんな木が林立している自然公園。
巨人の国に迷い込んだ気分なんでしょうか。
一度はいってみたいですね。
それからレッドウッドの天辺の樹冠は、有史以来誰も登ったことのない世界。
まだ手付かずのフロンティア。
冒険家として、開拓者として、科学者として、そこにハンモックを広げて眠るのはどんな気分なんでしょうか。
本の内容は、要は木に登ったり計測する話なので、退屈は退屈。
でも「フロンティア」という言葉に心惹かれる人は、木の上のフロンティアの話はなかなか面白いのではないでしょうか。
たとえば木に登るだけでも、他の木とは違います。
数十メートルまでは枝のないレッドウッド。
一番下の枝に釣り糸がかかるようにボウガンを撃ち、釣り糸に繋いだロープを枝にかけ、登っていきます。
他にも近くのそれほど高くない木から飛び移るなど、登り方もいろいろ。
でも当然、落ちたらよければ怪我をしますし、悪ければ死んでしまいます。
登場人物もなんだか面白いです。
富豪の家に生まれたのに、親からの支援は受けられずスーパーのレジをしながら木を探す人。
大学教授。
木の上で結婚式を挙げ、ナニまでする人。
こんな人物達が、木に負担のない登り方を考え、木の上を自由に動ける道具を自分達でつくり、木を守るルールを決め、「世界一高い木」を探します。
面白い人には面白い、私は久しぶりに「異世界」を堪能した作品でした。
ちなみに作家は「ホット・ゾーン」で有名なリチャード・プレストンです。
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